たまにはレッスン物を書かないと、ということで、書く。
題名にある「左腕の動き」を文章にて詳細に述べれば少々難しくなるのだが、大切な話である。出来るだけ簡潔に参る。
ゴルフクラブをスゥイング軸に対してターンさせていくという考え方は極めて重要だ。無論、軸は、身体に存在させるべきものである。
先ず『背骨』。上半身を主体に捉えると『背骨』となる。これは余りにも周知の軸。ゴルフ歴がある人なら誰でも知っていることだろう。そして次に、下半身を主体に捉えた場合の『右股関節』。これが二つ目だ。無論、右打ちの場合だ。左打ちは、逆。
そして三つ目となるものは、腕を主体として捉えた場合の『左腕』である。両腕は、人間の骨格を踏まえたとき、これもまた背骨を軸としたターンが起こるが、ゴルフスウィングそのものにクラブフェースのターンが僅かにでも起これば、左腕を軸線としたゴルフクラブのターンは必須となる。この振り抜きの動作については「回外と外旋」という言葉で表すのが的確だろう。
結論としてゴルフスゥイングは、上記の「三つの軸」が関連し合うことに因って成り立っている身体運動だと言える。
さて、先ずは「回外」という動作。医学用語である。紐解く。
回外:前腕軸を中心にして、手掌を上に向ける運動
回内:前腕軸を中心にして、手掌を下に向ける運動
上記は肘関節の動作であるが、主題が「左腕の動き」である以上、肩関節の動き「外旋および内旋」の説明も必要だ。
外旋:体の前方に向かうある部分を外方へ向ける運動。
内旋:体の前方に向かうある部分を内方へ向ける運動。
肩関節の外旋運動の場合、肘を屈曲して前方に伸ばした前腕を外方へ移動する動作をイメージすると分かり易いだろう。
さて、いよいよ小難しくなりつつあるので、ここでゴルフスゥイングに於ける「左腕が軸となるゴルフクラブのターン」を身体動作の観点から端的に述べてみる。
『左腕は、テークバックでは出来るだけ回内運動を行わず、振り抜きで回外運動と外旋運動が複合的に作用される』、となる。
上記が『左腕』を軸としたゴルフクラブのターンの要諦。
これは今から10年以上も前に、私がツアー転戦をするなかで得るに至ったスゥイング軸の概念の一つである。
当然のことながらだが、だからと言って、この論理だけをアマチュアの方にレクチャーすることが私のレッスンなどではない。上記の言葉を幾ら簡潔に話しても多くのアマチュアの方には面白くもなんともない話だし、幾ら動作の説明を繰り返しても多くのアマチュアの方には何の意味をさえ持たない話だろう。
私自身、何度か雑誌や新聞の記事に紹介して来たし、過去にブログなどにも書いて来た話でもあるが、実際のレッスンでは、スゥイング軸を含めた様々な概念を下地として、アマチュアの方が吸収し易い話でのレクチャーをと心がけている。