ウェッジの選び方

先日、週刊ゴルフダイジェストの取材で、ウェッジの試打をしてコメントを述べるという仕事があった。
何十本ものウェッジを試打するのだが、打っていて、さて、このクラブ達の機能を、打ちながら実感できるプレーヤーが何人いるのだろうか? という疑問を持った。ウェッジに限らずゴルフクラブは、いま打った感覚が全てとは言えない。暫く使ってみて漸く、そのクラブの良さが分かって来たりするのがウェッジだったりもするからだ。
因みに私は、ウェッジに関してのみ言えば、単に試打でコメントが出来るプロゴルファーとは別格で、それは以前、ウェッジの製造販売の仕事をしていたなか、勿論、ウェッジの機能に於ける設計監修までをも手掛けていたからである。無論、クラブ設計のエキスパートと組んでの綿密なディスカッションを通じ、当時をして、伝説とまで呼ばれたウェッジを制作することが出来た。
つまり、自分で言うのも何だが、ことウェッジを見る眼に関しての私は、他のプロゴルファーの追随を許さないのである。

さて、ウェッジ選びでアマチュアゴルファーが大切にすべきポイントは、先ず第一に『顔』=フェース形状である。
これはプロゴルファーにとっても重要な要素で、ただしプロを含む上級者の場合、『顔』を形成するにあたるリーディングエッジからネックまでの流れを更に重要視することで、あらゆるライでの打球イメージを明確に映し出すことが出来るようにもなる。それが何故重要かと言えば、ウェッジは他のクラブに比べて遥かに、フェース面を極端に開いたりする場面がプレーのなかに多く現れるからだ。無論、立ち上がり部分の形状や厚み、更に言えば研磨具合、また、面取りなども重要だが、一般には『顔』という表現で包括できるだろう。
人間は感覚の生き物であるが故に、この『顔』が醸し出すイメージはウェッジ選びに欠かせない要素だと言える。

そして次に、上記『顔』選びに平衡して選ばなけらばならないポイントが、ソールの『バンスの高さ』である。
断っておくが、バンス角ではない。フェース面をスクエアにシャフトを垂直に立てたときの、リーディングエッジからバンスの頂点までの高さが、バンス高である。ウェッジは用途に応じて、このバンス高をこそ吟味する必要があるのだ。
ロフト角と一緒に刻印されているバンス角の表示は一つの目安にはなるが、実際に使われるソール面の幅などで、この『バンスの高さ』は幾らでも変わってしまう。同じバンス角でも、バンスの高さが変われば、機能そのものが違ったものになる。
ウェッジの機能に於いて最も重要だと言えるソールは、本当は、その形状(1)と、実際に使われる面の面積、そして『バンスの高さ』で選ばれるべきものである。
バンス高の何たるかを知らない人間は、ウェッジのソールを語ることなかれ。だいたい、メーカーが表示するバンス角だってイイ加減極まりないのが実状でもある。

些かならずとも難解な話になったが、ウェッジ選びに限らず、クラブ選びを語れば、一般ユーザーには難解な話になってしまうのは、ある意味、然りだと言える。優しく詳しい話を聞きたければ、私のところへ来て貰うしかない。
最後に、ウェッジ選びにあたる要点。上記に『形状(1)』と記した要点を、なるべく簡潔に述べる。

☆ソール形状は、ヒール側とトウ側のソール幅を見て、トウ側が広くなり過ぎていないものを選べば、そうそうハズレは無い。

総じてソール形状は、ヒール側が狭くトウ側が広いものが多いが、巷に繁茂するが如きウェッジのなかにも、上記☆の如く設計されたものが必ず存在する。代表格は、キャスコのドルフィンウェッジ、ボーケイのアメリカモデル、クリーブランドの松山英樹モデルなどが、それに値するし、先般見かけたヤマハのウェッジも好いものだった。

奇をてらっただけで、意図された機能も糞もないウェッジを作って実しやかに販売しているメーカーは腐るほどある。
騙されることなく、ちゃんとしたコンセプトに基づいた設計が施されたウェッジを手にしたとき、あなたのショートゲームは確実に進歩を遂げるだろう。それほど、ウェッジ選びは重要なのである。

 

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【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

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