コースデビューへの道

期間にすれば、だいたい三か月間って感じだろうか。初心者が初めてクラブを握ってから、コースデビューを果たせるまでの練習期間(準備期間)というのは。。。

当初は誰か自分の周りの上手な人に練習場へと連れて行って貰い、その人からある程度の教えを受け、漸くゴルフコースへとデビューするというのが、その一連の流れとなる。
昔は、ちゃんとした【上手な人(シングルプレーヤーに限らずゴルフそのものを知っている人)】というのが周囲には必ず居たもので、初心者には先ず練習場で優しく手ほどきをしてくれた。
さて貴殿(貴女)の周囲に、そういった親切なジェントルマンというのが居るだろうか?
そう、、、訳知り顔の無謀な似非ゴルファーが多くなってしまったのも、若い世代(20代~40代)がゴルフを趣味にする機会を失ってしまった理由なのかもしれない。
自分本位に楽しきゃイイってか。初心者はタマったものではない。
そういった似非ゴルファーに限って、「とりあえずゴルフコースでプレーしてみよう!」などという酷い誘い方をして、まったくの初心者をゴルフコースに連れてゆき、1番ティーグランドで「さぁ!打ってみようか」などと言って悪魔のような笑みを浮かべるのである。

水泳や登山なら絶対に死にまっせ。。。自転車(ツーリング)なら周囲の晒し者にされてトボトボと帰路に就くしかない。。。

しかも、訳知り顔にノータッチでのプレーやルール順守でスコアをつけさせようとするものだから、甘い言葉で誘いを受けてしまった初心者のほうはというと、まったくボールが打てなかった恥ずかしさと訳も分からず走り回った極度の疲労感から、金輪際!二度とゴルフはヤラない!と、固く決心をしてしまうのだ。

ゴルフは、水泳や登山や自転車などと同じように、ある程度の準備期間(練習期間)を経ることで、その面白さを満喫することが出来るようになるスポーツなのである。

 

 

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

いま

私がプロゴルファーになってから30年以上の歳月が経過している。
しゃにむに試合を追いかけるばかりだった私が、誰かに背中を蹴られるようにしてレッスンに従事するようになってからも、早くも10年という年月が経過してしまった。

いま私がしていることは、日本という国で、ゴルフという素晴らしいスポーツを多くの方に伝播していくこと。
だから主に、初心者や高齢者など、アベレージプレーヤーないしアベレージプレーヤー以下のゴルファーへのレッスンのほうに重きを置いている。また、ゴルフという難解なスポーツの ‟迷路” にハマってしまい、悩んでいるゴルファーのレッスンにも重きを置いている。
ジュニア育成やエリートゴルファーを育てることには、正直なところ余り興味がなく、そういう「多くのプロゴルファーが好んで行うところ」は、私以外のプロゴルファーが確りと活動してくれているから心配ないと思っている。

つまり、ゴルフを心から楽しんでくれる人間を育てることこそが、私の使命だと考えているわけだ。彼らを、心正しきゴルファーへと導くことも、また然り。

『みのるほど、こうべを垂れる稲穂かな』

・・・プロ、アマを問わず、ゴルファーたるべき者、かくあるべし。

 

 

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

第84回 日本プロゴルフ選手権

第84回 日本プロゴルフ選手権が開幕した。
武藤が優勝争いをしている。

もう何年前になるだろうか。
三菱ダイヤモンドカップの火曜日の1番ホールに、「一緒に御願いします!」と、当時まったく無名だった武藤が私の練習ラウンドの組に入って来た。それが私と武藤との出会いだった。
それから、その年は、試合毎の練習ラウンドを彼と一緒にやった。それは武藤という若いプロゴルファーが大変好感の持てる青年だったこともあったが、最初にラウンドしたときの武藤が、ただ飛ぶだけではない光るモノを持っていると感じたからでもあった。
武藤は無名の当時から、少なくとも私の眼には眩しくも光り輝く存在として映っていたのである。
新人の例に漏れず当初は中々予選を通過できなかった武藤だが、夏に開催されたサンクロレラクラシックで初日トップに踊り出た。
しかし翌日の新聞の武藤の記事は非常に小さいモノで、それは恰も新人がラッキーで好スコアを出したかのように書かれてあった。その記事を読んだ私は、記事を書いた旧知の記者に言った。「あんな記事を書いて…後で後悔するよ。武藤は必ずツアーで台頭してくる人間だから」と。しかし武藤には「お前が下手だから、あんな書き方をされるんだ」としか言わなかった。
武藤は度々、「このままでは資金が続きません。予選を通るために飛距離を落としてでも稼ぎたい」と私に言って来た。そんな武藤に私は「ティーショットを曲げて林に入れながらでもアンダーパーで上がって来い。目の前の賞金の為に自分のゴルフを小さくするな」という言葉しか言わなかった。

恨まれていただろうと思う。それは私としても断腸の思いの言葉だったからでもある。稼げないプロゴルファーが週末を、どんな気持ちで過ごすのか…それは私自身が熟知し、身を切られるような言葉だったからに他ならない。が、しかし私は武藤のスウィングを見るたびに感じ、信じていたのである。こいつは世界で最も飛ぶくせに曲がらない凄いプレーヤーになると。。。

その後の武藤は御存じの通り、日本ツアーを代表するプレーヤーに成長し、今やベテランとして活躍するに至っている。

明日は日本プロ最終日。頑張れ武藤!!!

 

 

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

龍ヶ崎カントリー倶楽部のスターティングホール

①ロケーション
ティグランドからグリーンに向かい南西方向へと微妙に高低差を下げていく1番ホールは殆ど真っすぐなホールである。
IPポイントに近づくにつれ左の林が少しづつフェアウェイへと張り出し、右サイドは右の林に少し隠れるようなダブルバンカーが配置されていて、樹高の高い左右の林に挟まれたフェアウェイエリアを狭く感じさせている。だが、そのロケーションから受ける圧迫感とは裏腹に、このホールのフェアウェイはスターティングホールに相応しく比較的広目の造りとなっている。

②ティーショット
2nd地点に於ける左サイドの基点となる最もフェアウェイ側に迫り出した松はフルバックティから凡そ250y。また、右サイドの基点となる右バンカー先端を越える為に必要な距離は凡そ260y。故にティショットに最適となる球筋は『ドローボール』だ。右バンカー左サイドからフェアウェイ中央付近へと入り込むドローボールを打つことで最適ポジションを得易くなる。2ndでグリーンを狙う最適なポジションは、上記に述べた左サイドの基点となっている松樹を越えたフェアウェイ中央ないし、やや左サイド。

捕捉すれば、この地点までドライバーで打つことが出来るティマークを選択してプレーすることが、龍ヶ崎カントリー倶楽部の面白さを満喫する為の必須条件だと言える。目安としては、ドライバーで260y以上の飛距離を持つ者ならフルバック(黒ティ)を、240y以上の飛距離ならバックティ(青ティ)を、220yくらいならフロントティ(白ティ)を、そして190y以下の飛距離ならばゴールドティを選択すべきで、それ以外のティグラウンドを選択してプレーした場合、ティショットの難易度が著しく低下する為、龍ヶ崎カントリー倶楽部18ホールズの持つ本来の面白さを感じ取ることは出来ない。

③2ndショット
2nd地点からメイングリーンを望むと、メイングリーン手前の右サイドにもダブルバンカーが配置されていることが分かる。このダブルバンカーはメイングリーン攻略に於けるボギールートの難易度を上げる為に配置されていることは明白で、それは花道がグリーンの向かって右前方に存在するからであり、グリーンの傾斜も右手前へと全体に流れているからでもある。
可成り強い受けグリーンでもある全体に右傾斜を持つメイングリーンでピンに対して最良のポジションを得るためには、2ndショットにも『ドローボール』が要求される。
即ち、このホール攻略に於ける要点は、洗練されたドローボールを積み重ねることにある。但し、サブグリーンのとき、手前であれ奥であれピンが右サイドに切られている場合のみ、このホールに『フェードボール』が好ましいという場面が登場する。

④グリーン周り
グリーン周りの攻略ポイントは、どちらのグリーンに於いても、双方のグリーン左サイドに配置されているバンカーに入れてはイケないという点である。が、しかし、メイングリーンの左奥にピンが切ってある場合と、サブグリーンでは右奥方向にかけてピンが切ってある場合のみ、その限りではない。また、砲台グリーンでは無いにも関わらず如何なるシチュエーションに於いても、グリーン奥からのアプローチはノーチャンスと心得るべし。

⑤パッティング
双方のグリーン共に、どの位置にピンが切られていようとも、絶対にピンよりも手前に乗せる必要があると断言できるほど奥から手前に向かっての傾斜が強い。メイングリーンではピンの右手前、サブグリーンではピンが右なら左手前でピンが左なら右手前からの、ファーストパットを求めるべきが定石である。

獲ようと欲すれば取りこぼす。。。このグリーンでは、高慢ちきな人間は3パット以上の憂き目に遭い、謙虚である人間にこそ福音が与えられることを決して忘れてはならない。龍ヶ崎カントリー倶楽部の1番ホールは、言うならば、謙虚さを確りと備えた人間性を求めてくるホールだと言えるだろう。

 

 

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】