生きたレッスン

「レッスン」というものを、私はこう考えています。

心と心の対峙であると。

単なるスウィングのレッスンや、生徒に威張りくさった押し付けがましいレクチャーは、私の「レッスン」ではないということ。
だから単にスウィングの形やメソッドをレクチャーするといったことは無い。もちろん、誰かに任せて俺ゃ知らん!ってことも有り得ない。
だから私の「レッスン」は現場主義。
生徒さんがたは、それぞれに体力や身体能力または経験が違うのは元より、なによりも性格が違うから、レクチャーを受け止める姿勢やレクチャーを受け止める能力にも差があります。「レッスン」というやつは、じつは、ここが重要です。これは、ゴルフに特化されたものではありません。世に先生と呼ばれるかたがたは数多くいますが、敢えて苦言を呈せば! 「教える」ということは仁術でもあるということです。

優しいとか、上達が速いとか、一生懸命に教えてくれるとか、判り易かっただとか、、、そんなことを生徒さんがたから言われますが、あのね、そんなのは当たり前のことなんですよ。
教える側が、教えられる側の「気持ち」に立って初めて、そのレクチャーは息を吹き込まれる。生きたレッスンになるんですね。

故に、充分にゴルフの経験を詰まれたかたも多くいらっしゃいます。
その方々の悩みは「迷路に入り込んでしまった」というものが一番多い。

イップスにかかってしまったなんて人や、なんとかメソッドで迷路にハマってしまったとか、どこそこの誰それ先生に習ったらボロボロにされてしまったとか(笑)・・・まぁ彼らも悪気は無いのですが。人によって問題点が様々であることを、彼らは判らないだけなのです。

うちのスタジオが駆込み寺的なレッスン場になっているのにも、ゴルフレッスン業界的には大きな問題だと思うのですが。。。

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憧れの地へ

25年前に思い定めていた。
50歳になった年にイギリスに行こう、と。

目的は二つ。
もちろん一つは全英オープンシニアで賞金を稼ぐことだったが、もう一つの目的は、死ぬ前に一度ラウンドしたいと一種の憧れに似た感情を抱いていた『ロイヤルドーノックGC』というゴルフ場を訪れることだったのであります。
その夢が叶えられ私は、帰国後しばらく経った今でさえ、その感慨に浸っている。
まさに奇跡のコースだった。30年を越えるプロ生活のなか、世界中の幾多のゴルフ場をラウンドして来た私だが、その感動を言葉に表せば、奇跡という言葉しか思い浮かばない。

ロイヤルドーノックGCというゴルフ場の起源は1616年である。日本で言えば江戸時代初期。天下分け目の合戦として有名な関ヶ原の合戦から僅か16年後、すでにこの地ではゴルフがプレーされていたということである。
ゴルフコースとして正式に誕生したのは、その後260年ほど経った1877年。9ホールのゴルフ場として誕生した。そして、その9年後の1886年に、セントアンドリュースのオールド・トム・モリスが18ホールのゴルフ場に拡大したと言われている。
その後、1904年にJ・H・テイラーの意見で大幅に改造され、また1921年には、アメリカのパインハースト・NO2コースの設計者として有名なドナルド・ロスが手を加えたという。
ゴルフ場というのが、このようにコースのレイアウトそのものに手を加えられることで、洗練されたゴルフ場へと進化を遂げる場合があることを、私は始めて知ったとも言える。

結局ロイヤルドーノックが“今の形”になったのは、第二次世界大戦後である。
ジョージ・ダンカンというプロゴルファーがコース改造の指揮を執った。ダンカンは長年に亘りコース改造を指揮したと言われているが、結論として、この最終的コース改造は、当時のロイヤルドーノックGCのグリーンキーパーであるバーブ・グラントが構想したものであり、その構想は、ロイヤルドーノックGCの支配人を1883年から1941年まで務めたジョン・サザーランドのコース改造案が脈々と受け継がれたものだったと言われている。
つまりゴルフコースの改造は、その地を知り尽くした人間の構想が入って初めて、真の成功に辿り着けるということが伺えた。
多くの日本のゴルフ場が、かつて、コース改造に失敗を来たし、つまらないコースレイアウトに変貌を遂げているが、そのゴルフ場を知り尽くした人間達が長年の構想から深い愛着を以て手がけたコース改造には“奇跡が起こる”ということを垣間見たのであります。
因みに1921年にコース改造を手がけたドナルド・ロスも、ジョン・サザーランドに師事をしたコース設計家で、ドーノックという地に生を受けた人物でもあった。

さて、ロイヤルドーノックGCと言えば、世界的に有名なホールを思い浮かべる方も多いはずだ。そう。14番ホール・パー4、通称「フォクシー」ホールである。
スコットランド最果てのロイヤルコース=ロイヤルドーノックGCは、コース設計の、ありとあらゆる要素が凝縮されていると言われているコースだが、その18ホールの中でも、ロイヤルドーノックGC固有の形が「フォクシー」というスタイルでもある。
おいおい、このロイヤルドーノックGCの紹介をしていくつもりだから、ここに「フォクシー」の詳細を述べることは省かせていただこう。

 

『憧れの地へ』写真編→ 合田洋ゴルフアカデミーのブログ

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