昔のツアーと今のツアーの違い②

シード選手としてツアーに残れば、生活環境がまるで違います。

かつてのプロツアーは、先般も申し上げた通り、シード選手すべてが「一流プロ」という呼称のもとに、日本全国のアマチュアゴルファーから賞賛を受け、全国のプロゴルファー達からも尊敬を集める「スタープレーヤー達」だったんですね。
シード権を獲った瞬間に超有名人。つまり、シード選手全員が、日本のゴルフ界に於けるスターだったということです。
そこに突出した「AONK」といったプレーヤー達が出るわけですから、そのスター性の高さといったら現在のツアーとは比べものになるはずもありません。

幻のメジャートーナメント=日本マッチプレー選手権は、出場選手が32名という、出場するだけで故郷のゴルフファンが郷土自慢できるほどの狭き門戸を持った試合でした。が、かつては、その日本マッチプレー選手権でさえ、シード選手外の選手が出場権を手にし、好成績を修めてスターダムに伸し上がったことも出来たのです。

現在のツアーでは、シード外の選手が通常の試合に出ることが困難で、可能性を求めるとすれば、チャレンジツアーという下部ツアーで翌年のシード権を獲得すること。
しかし、チャレンジツアーの賞金の低さで全国を転戦することは、いわゆる一般家庭の出の人間には難しいことだと言えるでしょう。

逆に全ての試合の門戸が異様に狭いために、一度シード権を獲得すれば、それを失い難いというメリット(シード選手達の)があります。
そういったなか、こういった『事情』が、ツアーの活性化に歯止めをかけているのではないか? と問題提示をする人間も多いのです。
下から上がることを極力排除しようとしているわけですからね。

プロゴルファーの私でさえ、いま誰がシード権を持っているのかが判らないほど、多くの選手にシード権を渡してしまうゴルフツアー。これが、現在の日本のツアー。

夢、皆無。

そんなプロスポーツに憧れる人なんているはずがありません。

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

昔のツアーと今のツアーの違い

 

私が日本プロゴルフ協会のプロテストに合格したのは1984年のこと。
あれから、もう30年以上が経っております。

青木功さん、ジャンボさん、中嶋常幸さん、倉本昌弘さん、いわゆる「AONK時代」と言われる、プロゴルフツアーが全盛の時代に私はプロゴルファーになりました。

いまは、米ツアーでは松山くん、石川くんが活躍し、国内では池田くんや・・・
あれ? 若手の名前が出て来ないな? 藤田くんや手嶋くん、谷口くんなどのベテラン勢は、私も鎬を削ったツアー仲間ですから、当然、言わば同じ職場で働いていた彼らのことは尻の穴の大きさまで知っております。

私がツアーを退いて、レッスンに従事するようになってから、もう8年余りの年月が過ぎていますから、あの当時に若手だった、小田くんや武藤くん、谷原くんや山下くんなど、彼らがツアーで成長していることだって、まぁ知っているわけですが、さて、一般アマチュアのかたが、どれだけ彼ら、つまり、ツアーでシード権を持つ「一流」と呼ばれるツアープロ達の “名前” を知っているのでしょうか?
プロゴルフファーである私でさえ、現在のツアーシードを持った選手の名前を挙げられないわけですから、それは推して知るべしだと言えるでしょう。

昔のツアーは、いわゆる「AONK」を筆頭に、多くの一般アマチュアゴルファーが、シード選手達全員の名前を挙げることが出来ました。

とくに沖縄で開催されていた最終戦は視聴率も高く、試合も回りのムードも、誰が最後の「一流選手」として今年を生き残ることが出来るのかに注目が集まっていて、まさに緊迫した雰囲気を漂わせていたものです。
そんななか、シード確定の選手達は家族を伴っての沖縄リゾートを楽しんでいましたが、かたやシードライン付近にいる選手達は本当に青い顔をして部屋に引きこもっていたものです。 シードライン上の選手達に、他の選手達が気を遣う場面がしばしばあったのは、それは、来年は我が身かもしれないという決して人事ではないという思いがあったからだと言えるでしょう。

ゴルフトーナメントは、まさに『真剣勝負』の舞台だったのです。

 

・・・つづく

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

『教えたがり症候群』②

 

日本プロゴルフ協会のプロテストに合格し、プロゴルフ協会の月例競技やツアー競技出場予選会(現在のクオリファイニングトーナメント=QT)を経て、ツアー競技に出場する。超難関を突破し続けて、ようやく、ツアー競技に出場することが出来るのですが、競技に出ても予選を通過をしなければ丸々の赤字です。

そんな生活を掻い潜った歴としたプロゴルファーが賞金を稼ぎ、そういう下地を持った歴としたプロゴルファーがアマチュアの方にゴルフを伝えていくという流れが、昔は、まさに厳然と存在していたのです。

 

さて

ある程度ゴルフが分かってくると、また分かって来たかのような錯覚を覚えてしまうと、表題に書かせて頂いた『教えたがり症候群』というのに、プロ、アマを問わず多くのゴルファーがかかってしまいます。

プロの場合、そこで、レッスンの道に進む場合というのもあったでしょう()もっとも、いつまでも試合に挑戦し続けることは、精神的にも金銭的にも大変なことでもあるんですね。

 

無論、私にも発症経験があります。が、何年も前に完治したようです(笑)

 

問題は、アマチュアの方が『教えたがり症候群』にかかってしまうなか自分で勝手にプロゴルファーを名乗り、ツアーでの実戦を経験したことも無ければ、プロになるための研修期間を過ごした経験さえも無い単なるアマチュアなのにも関わらず、レッスンをすることで金銭の授受を行うようになること。

また、そういった輩を金儲けに利用する人なんかも居るんでしょうね。

 

とは言え、そこに金銭のヤリ取りが生じなければ、互いが互いのメソッドを持ち寄ってゴルフを研鑽し合う素晴らしいコミュニティ♪

そこに時々、プロゴルファーを招聘したりしてプロの意見を聞き、そのコミュニティそのものの見識を高めていくのも善しです♪

 

モラルの欠如ってやつなのかな。

 

私だって御世辞にも立派な人間ではありませんが、それくらいのモラルは持ち合わせています。

だから私が、「私は医者です」などと宣言し、病院を経営して自ら患者さんを診察するなんてことはありません(笑)

 

 

 

 

【Gスタジオ&合田洋ゴルフクリニック】

『教えたがり症候群』①

ゴルフの“教え魔”という言葉を御聞きになったことがあると思います。
その“教え魔”が…

例えば、会社の上司だったりする場合、困りますよね(笑)

また「私はゴルフ理論に精通している。自分では出来ないけど…」などと宣う、ゴルフ練習場に生息する小悪魔のような常連の御客さんだったりすることもあるようです。酷いのになると、有名なプロゴルファーの名前を挙げて、「私は○○プロを教えたことがある」とか「○○プロは実は私の教えの御陰で活躍できるようになった」とか、聞くも恐ろしいことを平然と言ってのけたりもします。

そんな彼らですが、困ったことに彼らの述べる言葉は、いま自分で行っているメソッド(打ち方)であることがほとんど!

逆に言えば、「誰かに自分がヤッてることをヤラせてみて、どんな感じになるのかを試してみたい」などと思っているパターンが多いので注意しなければなりません。
こんな人も居ます。

“どこそこで◯◯理論を学んで来て、私は、それを教えられます”って人。

人間ってのは、だいたい、◯◯理論とか、頭の良さそうな名前に弱かったりもするものですから、そんな訳の分からない振興宗教の教祖様チックな人に、訳の分からない理論やメソッドを押し付けられてしまうパターンもあるでしょう。

「僕の理論が分かるようになると、空を飛べるようになります♪」みたいな。

まず、あなたが飛んでみて下さい。 ですよね?(笑)

実は、そんな輩、昔っから居たんです。

でも昔は、日本プロゴルフ協会の会員が、厳然と、プロゴルファーとして確立されていたため、多くのアマチュアの方々は「あなた、プロじゃないでしょ?」という言葉で、そういった輩の危険な誘いを回避できていたと言えるんですね。
・・・つづく

 

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